医療事務のいろは【文書作成補助(診断書作成など)】

医療事務の仕事の中には、受付業務だけでなく文書作成補助に関わる人もいます。医師から文書作成のすべてを任される場合もあれば、患者から受け取った書類の事務手続きを行ったあとに医師へ作成依頼をし、出来上がった文書内容の確認をしたのち、患者へ返却する文書管理を任される場合もあります。
また、医師が行う事務作業を専門的に行う「医師事務作業補助者」というポジションも。そこで今回は、医療事務の文書作成に関してを詳しく解説します。

医療事務の職務に「医師事務作業補助者」というものがある!

前述のとおり、医療関係者の中には医師事務作業補助者という役職があります。医師事務作業補助者とは、医師が行う事務作業を代行することで医師の負担を軽減するサポートの専従者のことをいいます。近年、国が進めている医師の働き方改革もあり、医師事務作業補助者を配置する医療機関が増えてきています。

医師事務作業補助者に求められているスキルとしては、医師の指示の下で診断書や紹介状の作成、電子カルテの代行入力を行うなどの幅広い専門知識が必要とされます。医師事務作業補助者は資格がなくてもそのポジションに就いて働くことはできますが、医師事務作業補助体制加算の施設基準では32時間以上の基礎研修と入職後6カ月の職場研修を受講する必要があります。また、医師事務作業補助者に関する民間資格もいくつかあります。

医師事務作業補助者の主な仕事

医師事務作業補助者の主な仕事内容は書類の作成です。電子データを扱うこともあれば、紙の書面を作成することもあります。これらはすべて医師の指示の下に行います。

■診断書など医療文書の作成代行

<主な文書>

・病院様式の診断書

・保険会社様式の診断書

・身障者・労災などの行政様式の診断書

・介護保険における医師の意見書

・患者・家族への説明文書

・診療情報提供書(紹介状)

・紹介状の返書

・入院診療計画書

・退院サマリー

など

■電子カルテなど診療記録の入力代行(※医師の指示の下に行う)

<主な文書>

・外来診療録

・入院診療録

・手術記録

・麻酔記録

・内服薬の処方(処方せん・処方オーダ)

・注射薬の処方(注射せん・注射オーダ)

・検査の指示(検査伝票・検査オーダ)

・処置の指示(処置せん・処置オーダ)

など

■その他

診断書や電子カルテ以外にも、診療に関するデータの管理や整理、外科手術などの症例登録や会議資料、議事録の作成、カンファレンスの準備、行政対応などに携わることもあります。

<主な文書>

・診療録・画像検査結果

・病院運営に関する資料

・通信文(書簡・電子メールなど)

・疾患別患者数や手術件数などの集計

・院内がん登録

・臨床研修のための資料作成

・院内会議のための資料作成

・院外会議のための資料作成

・学会・研究会のための資料作成

・学術論文などの資料の検索・取り寄せ

・救急医療情報システムへの入力

・感染症サーベイランス事業に係る入力

・ヒヤリ・ハット事例収集事業に係る入力

など

医師事務作業補助者の資格

先述のとおり、医師事務作業補助者は資格を保持していなくても務まりますが、この役職を希望する場合は資格を持っていた方が採用活動の際に有利になりやすいといえます。ここでは、いくつかある民間の資格をご紹介しますので、医師事務作業補助者を目指す方はぜひ参考にしてみてください。

■医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト®)ーJSMA 株式会社技能認定振興協会

https://www.ginou.co.jp/qualifications/doctors-office.html

■医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)ー一般財団法人 日本医療教育財団

https://www.jme.or.jp/exam/dc/index.html

■医師事務作業補助者実務能力認定試験ー全国医療福祉教育協会

https://iryou-shikaku.jp/exam/clark.php

■医療秘書技能検定試験ー⼀般社団法⼈ 医療秘書教育全国協議会

https://www.medical-secretary.jp/iryo/index.html

■認定医師秘書™(医師事務作業補助業務実務能力認定試験)ー特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会

https://www.medin.gr.jp/exam_sche/exam_med_isihisyo.html

医師事務作業補助者を目指す方におすすめな通信講座

医師事務作業補助者の資格を取得するにあたって、ある程度の学習が必要となりますが、最近では通信講座も増えてきています。通信講座であれば現在の仕事を継続しながらでも、主婦業と両立しながらでも授業を受けやすいので、無理のないよう調整しながら資格取得を目指すことができます。

■医師事務作業補助者養成講座(ドクターアシストクラーク)ー日本医療事務協会

医師事務作業補助者を目指す方におすすめな通信講座

医師事務作業補助者の資格を取得するにあたって、ある程度の学習が必要となりますが、最近では通信講座も増えてきています。通信講座であれば現在の仕事を継続しながらでも、主婦業と両立しながらでも授業を受けやすいので、無理のないよう調整しながら資格取得を目指すことができます。

■医師事務作業補助者養成講座(ドクターアシストクラーク)ー日本医療事務協会

■認定医師秘書(医師事務作業補助者)講座ーたのまな

https://www.tanomana.com/product/medical/medical-ishijimu.html?gclid=CjwKCAiAvJarBhA1EiwAGgZl0DCDAPZ_EMV2paxGMln_dECJzXHTQXooqqD52HsCT96-vR_OR4bXJRoCMtsQAvD_BwE

■メディカルドクターズ クラーク講座ーニチイ

https://www.e-nichii.net/iryo/medicaldoctorsclerk/

■医師事務作業補助者養成講座ーソラスト

■ユーキャンの医師事務アシスタント講座

https://www.u-can.co.jp/company/news/1195860_3482.html

■一般社団法人日本病院会 医師事務作業補助者コース(※こちらは病院職員が受けることが多いコースです)

https://www.hospital.or.jp/ishijimu/

医師の文書作成補助におすすめな本!

さなみさん

医師事務作業補助者は通信講座でも勉強できるけど、講座に通わず自宅で独学したい人向けの参考書もたくさん出ているのよ。

通信講座に通っている人や既に医療事務に従事している人にも役立つ本ばかりだから、ぜひ参考にしてみてね!

はるこさん

本当だ!こんなにたくさんの参考書があるんですね。

私も参考にします!

■医師事務作業補助者 文書作成の手引き(第2版)

はじめての方にはこれ!全ての医療文書を網羅しているわけではありませんが、医療文書作成の基本的なことが載っている本です。

■医師のための オールラウンド医療文書 書き方マニュアル

さまざまな文書を代行作成している方におすすめ!医師向けのマニュアル本なので医療文書が網羅されています。

■レジデントノート 2023年5月 Vol.25 No.3 医師の書類作成 はじめの一歩〜診療情報提供書、診断書から院内の記録まで、効率的な“伝わる書類”の書きかた

的確でわかりやすい医療文書の作成方法を学びたい方はこちらがおすすめ。

■医師事務作業補助実践入門BOOK 2022-23年版: 基礎知識&実践ノウハウ入門テキスト (2022-23年版)

医師事務作業補助に必要な基礎知識と実践ノウハウを学べる1冊はこれ。